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その症状「うつ」かも!?
★ うつ病はどんな病気?
うつ病は、さまざまな原因により、脳細胞の活動性のバランスが崩れることでおこります。そのため、こころのエネルギーが欠乏してしまったような状態になります。こころのエネルギーが欠乏してしまうと、こころの症状やからだの症状があらわれます。
憂うつで気分が落ち込むことは誰にでもありますが、うつ病は、長期間にわたり強い抑うつ症状が続くことで生活に支障が生じます。人によっては、こころの症状よりも、睡眠障害や頭痛、食欲不振などのからだの症状の方が目立つ場合もあります。
★ うつ病の症状
こころの症状
・抑うつ気分
・不安・あせり
・遠くへ行きたい・消えてしまいたい
・興味または喜びの喪失
・意欲の低下・おっくう感
・自分を責める
・会話や本などの内容が頭に入ってこない
からだの症状
・睡眠障害
・食欲の減退
・疲労感・倦怠感
・動悸・息苦しさ・口が渇くなど
・からだの重さや痛み
★ うつ病の原因
うつ病の原因は、1つではなく、遺伝的要因や身体疾患、これまでの経験、性格、自分を取り巻く環境、そしてストレスが積み重なり、脳細胞の活動性のバランスが崩れることで発症します。
また、うつ病の多くは、重要なできごとや、慢性的な過労状態など、ストレスを感じるような状況の後で発症します
★ うつ病の治療法
うつ病の治療は、大きく分けて「休養」、「薬物療法」、「精神療法」があります。
「休養」
うつ病では、脳細胞の活動性のバランスが崩れているため、休養して脳を休ませる必要があります。うつ病の治療では、「休むこと」も大事なことなのです。休養の秘訣はとにかく何もしないことです。
ただ、生活リズムが崩れるなど、症状が悪化するリスクが考えられる場合は、休養せずに治療を行うこともあります。
「薬物療法」
うつ病では、脳内で脳細胞どうしの連絡を担っているモノアミンという物質の働きが弱まっていると考えられています。そのため、脳細胞の活動性のバランスが崩れてしまいます。
薬物療法で用いる抗うつ薬には、モノアミンの働きを強くする作用があります。うつ病に関連するモノアミンには、セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンがあります。なかでも、セロトニンは不安や緊張、衝動性に、ノルアドレナリンは興味や意欲に関係することが知られています。
また、症状が軽い患者さんにはお薬が処方されないこともあります。
※ 薬物治療で注意すること
効果を感じない、副作用があらわれた、症状が治まったなどの理由で、自分の判断で抗うつ薬の服用を中止したり、量を減らしたりすると、症状が悪化したり再発したりする可能性があります。
医師から決められた服用量と服用期間を守ることが大切です。抗うつ薬に関して疑問があれば、医師に相談しましょう。
多くの抗うつ薬は、効果があらわれるまでに2~3週間かかります。また、抗うつ薬を飲み始めた当初は、効果よりも副作用のほうが先にあらわれる場合もあります。副作用のあらわれ方は人によって異なります。服用する抗うつ薬の副作用については、服用を開始する前に医師から聞いておきましょう。自分が服用する抗うつ薬の副作用について知っておくことは、副作用への適切な対処につながります。
「精神療法」
精神療法では、患者さんの考え方やできごとへの対処法を見つめなおし、患者さんのこころをサポートします。
代表的な精神療法として認知療法や行動療法があります。認知療法では、自分自身の考え方(認知)の傾向を理解して、より現実的で問題が解決しやすい「もののとらえ方」を学びます。行動療法では、自分自身の行動を分析して、行動に変化や修正を加えることで、行動によるこころの状態変化を学びます。
★ うつ病を予防・改善するための食事
栄養の偏りがないように、バランスよく、1日3食きちんと食べましょう。
特に朝食は、生活リズムをつくるうえで重要なので、必ずとりましょう。
うつ病の改善や予防につながる栄養素
・ビタミンB1・・・豚肉、ウナギ 、玄米 、ナッツ
・ビタミンB2・・・レバー、ウナギ、納豆、卵
・ビタミンB6・・・刺身、レバー、鶏肉、納豆、ニンニク、バナナ
・ビタミンB12・・・貝類、レバー
・葉酸・・・緑黄色野菜(葉物野菜) 、納豆、レバー
・ビタミンD・・・キノコ類 、魚介類
・メチオニン・・・牛乳、乳製品、肉、魚、ナッツ、大豆製品、卵、ホウレン草
・トリプトファン・・・牛乳、乳製品、肉、魚、ナッツ、大豆製品、卵、バナナ
・チロシン・・・牛乳、乳製品、肉、カツオ節、シラス干し、大豆製品、卵、
アボカド
・DHA、EPA・・・青魚(サバやイワシなど)
・鉄分・・・レバー、赤みの肉、魚介類、海藻、青菜類、納豆
・亜鉛・・・カキ(貝)、ウナギ、牛肉、レバー